パリのリトグラフ工房IDEM(イデム)。

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リトグラフ物語1


今回はリトグラフについて。

”リトグラフ工房”とだけ紹介し、リトグラフに触れていなかったのはまずは工房を知ってもらいたくてうずうずしていた私のせっかちさにあります。
それくらい大好きな場所。

でも、そもそもリトグラフとは?
ということにもそろそろ触れないといけませんよね。

リトグラフというのは版画の一種。
銅版画(エッチング)やシルクスクリーンという名前を聞いたことはありませんか?
それぞれ技術の違う版画の一種になります。

その中でもリトグラフというのは油と水の反発性を利用したもの。
とはいえそれだけでは解決出来ない技術がたくさんあるのですが、その辺りのコアなところは追々話していきます。

リトグラフを発明したのはドイツ人ミュンヘン生まれのゼネフェルダーさん。
ヨハン・ネポーム・アイロス・ゼネフェルダーさんでした。
この方なんと、コメディアンで劇作家さん。
その発明は1796年のことでした。(日本の資料では1798年となっていますが、フランスの資料だと1796年となっています。)
彼、ヨーロッパでは有名なんだそう。
こんな感じで肖像画や彼のお墓の写真まで出てきた。他にも石像などもあるみたいです。
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photo:wikipediaより
何でこんな職業の方が発明したんだろうと調べてみたのですが、"偶然に発明"という何ともあやふやな感じ。

リトグラフというのはギリシャ語のlitho(石)を語源としているように、今でこそ簡易なアルミ版が多いですが石版がその発祥なのです。
だからなのか、石版も多くがドイツ産。
元来はドイツのババリア地方、ゾーレンホーフェン村がその原産地だったとか。
フランスでも取れるんですがね、ドイツ産の方が表面が白く決めが細かいのです。

ってコアな話になったところで作品の話。
最初にリトグラフに目をつけた作家はドラクロアやドーミエ、エドガー・ドガなどです。
ついであの有名なロートレック。
リトグラフって言うとロートレックが一番メジャーな気がします。(ついでサビニャックかな?)
ロートレックは1892年から1900年の10年弱の間に400点も作ったとか。
このポスターも実はここでここのプレス機さんたちから生まれたもの。
e0246645_86976.jpg
そう思うとちょっとわくわくしますよね。

今、三菱一号館美術館で"トゥールーズ・ロートレック展"開催されているそうです。
ここから生まれたものかも。
リトグラフの味、見てみてください。


続く。e0246645_818563.jpg
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by idemparis | 2011-10-29 14:55

idem物語4

今日は工房の半分を覆う天窓の話。

この建物が建ったのは1880年のこと。
動力だって蒸気モーターを使っていたような時代。
電気は貴重だし、室内でだって太陽の光を浴びたいっ!!
太陽が出た途端、こぞってテラスに集まるフランス人。

"出来るかぎりの大きな天窓を!!"

って、満場一致だったに違いありませんよね。
で、結局天井のほぼ半分。笑

e0246645_3214553.jpge0246645_323085.jpg


百数十年前の人たちのアイディアのお陰で、私はこの空間がより大好きなのです。
だって、太陽がさせば影が出来るほど日が入り、雨が降るとガラスに当たる雨音がまるで音楽の様。
日が沈む夕方は紫色の空を映してとっても綺麗な色になるし、時々どこからか落ち葉が飛んできてシールを貼ったように葉っぱの模様が映る。
冬には雪だって積もります。
室内に居ても常にこの天窓が外の風景を伝えてくれるのです。

でも...大雨が降ると実は数カ所から雨漏りが…。
紙にとって雨は大敵!!
でも…、そこは愛嬌、憎めないんです。
そんな時は皆で急いでバケツを各所に置きます。
チームワークですね。

e0246645_3265767.jpg

この天窓、実際には職人になくてはならないもの。
作品の色は必ず日の光で確認するのです。
蛍光灯でも白熱灯でもダメ。
とっても大切な太陽の光なんです。

e0246645_320672.jpgphoto:色を確認中の職人

とは言え、季節や天気、時間帯によって日の光も変わってきます。
そこのブレが全くないのが熟練の業。
受け継がれてきた技術、本当に素晴らしいです。

最後に一枚。
製作中のDavid LYNCHさんの作品に天窓が映り込んだもの。
この場所でしか見ることの出来ない、作家と太陽のコラボレーションです。

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by idemparis | 2011-10-25 03:37 | idem

展覧会とピエールエルメ - Nicola Vial -

今パリはニコラ・ビアル一色?!
と、言うのは大げさですが、今パリの至る所でニコラ・ビアルさんの作品を見ることができます。

彼はこの工房でよく制作する作家さん。
ご本人はとても気さくな方ですが、意外と作品はシュール。
日本語で言う"風刺画"というところです。
作家としても活動する傍ら、彼はイラストレーターでもあります。
フランスのメジャー紙、Le Monde(ル・モンド)でも目を凝らすとよく見かけるんです。

そんなニコラがサンジェルマンデプレの駅(4番線Saint Germain des Près)で展示をしています。

e0246645_64575.jpge0246645_646328.jpgphoto:展示様子


モンパルナス方面行きのホームは殆どがこの工房でプリントされた作品です。
下の写真のように、どのような工程で色が刷られていくのかなども見ることができます。

e0246645_6472768.jpg
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たまたまサンジェルマンのホームで電車を待つ時間があったら、ぜひ覗いてみてください。

ちなみに今のピエールエルメのマカロン限定ボックスも彼の作品。
私のお気に入りはサンジェルマンの駅にも展示されている丸いボックス(写真中央)。
マカロンがくるっと一周入っています。

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そんなニコラは現在Musée de la Poste(郵便美術館)でも展示中です。
こちらもどうぞ。

続きを見る…
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by idemparis | 2011-10-19 07:06 | 展覧会

David Lynch展

先週金曜日から始まったDavid Lynch展。

カルティエ財団より先日発売されたリンチさんのデッサンのみ500点以上をを収録した、ファンにはたまらないカタログ"Works on Paper"。

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これに合わせてギャラリーitem(イテム)ではデッサンを中心とした作品を展示しています。
先日はご本人にも来て頂き、大変喜んで頂けました!
e0246645_033572.jpgphoto:展覧会の様子

このカタログは1960年以降のリンチさんのデッサンを収録していますが、後半には今回の展示にもある作品(2010年)が掲載されています。

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e0246645_0363017.jpgphoto:カタログ掲載作品

今回の展覧会の私の一押しは、なんと言っても今年のデッサン。
先日ロサンゼルスから届いたばかりの最新作です。

e0246645_0395379.jpge0246645_0491575.jpgphoto:新作(写真が悪いですが...)

フランスでもここでしか見ることの出来ないDavid Lynchの2011年の最新作を2010年の作品と見比べながら見て頂けます。

期間中、足をお運び下さい。

追伸
カタログ"Works on Paper"、とっても素敵なので自分へのクリスマスプレゼントに購入予定です。
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by idemparis | 2011-10-18 00:55 | 展覧会

idem物語3

idem物語2の続き...

ずらっと並ぶ石版を通り抜け、タイムスリップの旅は続きます。
いよいよ工房の中へ。
よく入り口のところが工房の全貌だと思われます。
そんな方は入ってびっくり。

e0246645_2152114.jpgphoto:工房内

こんな風景が広がっています。
天井も半分はガラス。
日が差すと室内でも眩しいほど。
そして雨の日はガラスにあたる雨音が音楽を奏でるんです。

e0246645_21562369.jpgphoto:工房内

左にはずらっと並ぶリトグラフのプレス機たち。
これらは百才を越えるおじいちゃん。(フランス語では女性名詞なのでおばあちゃんかな?)
そんな年寄り扱いしたら怒られるかもしれないけど、彼らはピカソもマチスも見てきてるんですもん。
リトグラフの歴史の番人です。

e0246645_2295853.jpgphoto:工房内

ピカソやマチス、シャガールにミロ、コルビジェやコクトーまで...。
名前を挙げればきりがないですが、偉大な作家たちとともにたくさんたくさんいい仕事してきたんです。
作家たちからの信頼も厚かったと聞いています。
でもってまだまだ現役。
動くと金属とは思えないほどの心地のいい音がするんですよ。
そしてどこを撮っても絵になるプレス機さんたち。

ほら、

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e0246645_22331224.jpgphoto:プレス機

彼らも大切な大切な仲間です。
私なんて彼らからしたら新入りのひよっこですね。

彼らにもちゃんとご挨拶。

"ボンジュール! 今日も一日よろしくね。"

続く...
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by idemparis | 2011-10-13 22:41 | idem

展覧会 - David Lynch@itemギャラリー -

今週金曜日10月14日より、ギャラリーにてDavid Lynchさんの個展を開催します。

e0246645_17543389.jpgphoto:前回の展覧会の様子

David Lynch デッサン展2011
Galerie ITEM:51 Rue du Montparnasee 75014 Paris

(月-土 10:00-18:00)

リンチさんは2007年のカルティエ財団での個展の際、同財団のディレクターエルベ・シャンデスさんの案内で工房に来られました。
その時のことをご本人がこう語られています。

"信じられないような光景がこの工房にあり、まるで全てが夢のようだった。
リトグラフと石版のマジックに魅了され、次々にアイディアは浮かんだ。
イデム工房は特別な存在でここにしかないパワーを持っている。”
(idemHPより引用、訳)

この工房と石版に魅了され作った作品はリトグラフだけで130点を超えます。
e0246645_17595886.pngphoto:David Lynch制作風景@idem工房

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by idemparis | 2011-10-11 18:31 | 展覧会

idem物語2

idem物語1の続き...

扉をくぐり、20世紀初頭のパリにタイムスリップした私を最初に出迎えてくれるのが石版たち。
e0246645_17432725.jpgphoto:IDEM入り口

リトグラフは水(親水性)と油(親油性)の原理を利用した版画です。
版画にはシルクスクリーンや銅版画など色々ありますが、リトグラフはその一つ。
ギリシャ語の石(lithos)が語源となっているように、本来はリトグラフ=石版でした。
今でこそ世界的に安易なアルミ版が主流とはなっているものの、この工房ではオーナーの"リトグラフの良さは石版にある"という想いのもと石版を多く扱っています。

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この子たち、本当に個性豊かなんです。
一つとして同じものはありません。
分厚いのやら他より黒いもの、大きなものから小さなもの。
小さな欠けや大きな欠け。
時には化石が混ざっている個性派さんも。
でも殆どは出身地が一緒なんです。実は彼ら、ドイツ出身。
混ざりけのない石灰岩しか使えないので、取れる場所も限られてきます。

使った後はまた表面を磨いて使える石版。
もしかしたらピカソやマチスが使った石かもしれない。
そう思うとちょっとドキドキします。
石版さん、今日も一日どうぞよろしくねって感じです。

e0246645_17494311.jpgphoto:石版

因みに、ここで制作する作家の一人であるDavid Lynchさん(wiki)は欠けの個性的な石がお気に入り。
下の写真がその石を使った作品です。

e0246645_17515598.jpgphoto:David Lynch作品"Man And Dog"

分かりますか?
作品上部中央にある白い部分はその欠けている部分。(欠けているのでインクが乗らず、その部分はプリントされません)
矢印でmoonって書いてあります。
石版の欠けまで表現に使ったLynchさんらしいユーモアな表現です。


続く...
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by idemparis | 2011-10-07 17:56 | idem

展覧会 - 辰野登恵子@資生堂ギャラリー -

8月末より10月16日まで、資生堂ギャラリーにて、"辰野登恵子展 抽象ー明日への問いかけ"が開催されています。
※終了しました。

e0246645_21471955.jpgphoto:展示風景

辰野登恵子さんは日本を代表する女性アーティストの一人。
東京芸術大学を卒業後、1995年には東京国立近代美術館で史上初の女性であり史上最年少での個展を開催するなど、日本の近代アートを支え引っ張る存在です。
今年の始め、辰野さんがパリに一ヶ月半滞在しながら毎日工房に来て制作された、渾身の19作品の一部が展示されています。

展示も来週いっぱい。
ぜひ足をお運び下さい。

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by idemparis | 2011-10-05 01:36 | 展覧会

今日の出来事 -tsumori chisato-

ツモリチサトさんのファッションショーを見に行ってきました。
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photo:ショーの様子

彼女の世界は常に美しく、ユーモラスで遊び心がたっぷりです。
たくさんの人たちがその世界に惹かれます。
一つの世界を生み出すクリエーターは本当にすごいと思います。
一人の女性としてもとっても素敵で魅力的なツモリさん。
私もたくさんパワーをもらいました。
そして欲しいものも山ほどありました!

そんなツモリチサトさんも昨年この工房に来てくださいました。
その時の様子がブログに書いてあります。
ツモリさん目線の工房も覗いてみてください。
ツモリチサトさんデザイナーズブログ
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by idemparis | 2011-10-03 18:56 | 今日の出来事

idem物語1

この工房は19世紀に建てられました。
エッフェル塔もまだなかった頃のパリ。
それでも芸術家たちはこの場所に惹かれ、集い、語り合う。
時に熱くなり過ぎて口論になったり。
フランス人の気質を見ると、言い合う姿が安易に想像できます。
そして次の日には何事もなかったかのようにまた集まるんです。
ふふ。
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photo:Pont des arts

ここを建てたのはエミール・ドュフレノワという人。
彼もまたリトグラフ工房を営んでいました。
どんな想いでこんなに広い工房を建てたんだろう。
一体何人の職人さんが働いていたんだろう。
今となっては私はそれを想像することしか出来ないけど、きっと空気は当時のまま。
毎日ここの重い扉をくぐる時、私は一世紀前にタイムスリップしています。
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photo:入り口を入ったところ

続く。
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by idemparis | 2011-10-02 09:18 | idem