パリのリトグラフ工房IDEM(イデム)。

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港千尋 - 隔たり / 連なり -

写真家、写真評論家としてだけでなく、コミッショナーとしても大活躍の港千尋さん。
彼がディレクターを務めた2007年ベネチアビエンナーレ日本館、岡部昌生さんの展覧会は他を凌ぐ圧倒的な存在感と印象の強さを感じました。
e0246645_1561633.jpg
photo:国際交流基金HPより引用

多摩美術大学教授である港先生は私の恩師です。
在学中、パリに行きたいと相談した私にこの工房のオーナーを紹介してくださったのも港さん。
その5年後、ここで働くことになった私としては感謝してもしきれないほど、今があるのは港さんのお陰もとても大きいのです。

港さんはここのオーナーと20年以上の付き合いがあり、このギャラリーで過去に展覧会もされています。
ギャラリーで扱う作品も。
e0246645_321282.jpge0246645_3222691.jpg
Corthesy:Item editions

はぁ、美しい。
実物は"わぁ"っとなります。
私、"わぁ"となりました。ふふ。

港さんの作品はいつも美しさの中に儚さと少し切ない部分が含まれているような気がします。
私は"美しいものはある種の悲しさと哀しみをも含有する"と思っているのですが、それは港さんの作品から学びました。

レンズに捉えた瞬間、すでにそれは"過去"である写真という存在。
港さんの写真はすでに過ぎ去った戻らない過去を切り取っている、それをとても感じます。
私の一意見ですが、その場所というより時間を切り取っている感じがするんですね。

そんな港千尋さんが今、フランスのナントで展覧会を開催しています。

e0246645_3332627.jpg

http://www.iea-nantes.fr/en/news/bdd/actualite/302

開催期間は2012年1月15日まで。
私も見に行きます。
ぜひどうぞ。

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by idemparis | 2011-12-22 01:18 | 展覧会

今日のイデム。

現在、パリのギャラリーGalerie Kamel Munnour で川俣正さんの展覧会が開催されています。
すっごくパワフルな作品にはびっくりさせられました。
ぜひ足を運んでみてください。

今日のイデムはこのGalerie Kamel Munnour で今度展示される、私も大好きな作家フランソワ・モレレさんの作品を制作しています。

その色のお陰でマシーンがとっても鮮やか!!
わくわくします♪
ほらー!

e0246645_1941499.jpge0246645_19413781.jpge0246645_1945582.jpgphoto:制作風景

マシーンはこうやって毎日表情を変えます。
キレイに洗ってあげた時はこんな。

e0246645_1947458.jpg
これもとってもキレイですよね。
100歳を超えてても、傷もしわもナシっ。
つやつやです。

作家さんの作品色にお粧しされてこんな表情にも。 
e0246645_1950398.jpge0246645_19511311.jpge0246645_19521468.jpg

ここで作られる色は無限です。
職人さんの技でちゃちゃっと作られます。

e0246645_19532013.jpg
色を重ねることでまた違った風合いが生まれるし、ほんとリトグラフって奥深いです。

こんな毎日表情を変えるプレス機が大好きです。
ここに務めるこんなひよっこ日本人ですが、100才を越えるマシーンとも仲良くしてもらってます。

続く...。
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by idemparis | 2011-12-19 19:55 | idem

JR 追記

先日、お使いで額装屋さんに行きました。
そこはJRのオフィスの目と鼻の先。

"ふふ。寄っちゃおー♪"

と思った私。
ちゃっかりこんなのもらってきました♪

e0246645_139483.jpg
m&mチョコ、JRバーション♡
ちょっと食べて、もったいなくてとってます。
かわいい。
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by idemparis | 2011-12-15 01:41 | 作家/作品

JR

今回は私が大好きな人のお話。
出逢えたことを本当に誇りに思える人。

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彼の話をせずに私のブログも先へは進めないと思いました。
ついに手を出してみます、彼のこと。

名前は"JR"。
フランス人アーティストです。
1983年生まれでまだ28才。
"JR"と聞いて、殆どの方がJR東日本、JR西日本などの"Japan Railways"を思い出すのではないでしょうか。
でも恐らく5年後は世界中の多くの人たちが"JR=アーティスト"を思うだろうほど。
飛ぶ鳥落とす勢いです。

あまりに色んな分野を飛び越えて活動してるゆえ、一言で表現しにくい。
とりあえず"フォトグラファー"です。
ほら。
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そして"ストリートアーティスト"です。
ほら。
e0246645_8253555.jpg
e0246645_8261462.jpg
ちなみにこれらは合成ではありません。

フォトグラファー、ストリートアーティストと言っても、カテゴリーの枠を大きく越えているため、それらではなんだかしっくりこない。
とりあえず先入観なしに彼の作品の写真を見てみてください。

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by idemparis | 2011-12-08 03:24 | 作家/作品

idem物語6 -石版-

今日は石版のお話。

以前お話ししたように、ここでは主にドイツ産を使用しています。
フランス産よりもきめが細かく高品質。
絵を描く直前の磨きあげた石版はさらさらすべっすべ。
ず〜っと触っていたいほど。
表現すると、冷たい赤ちゃんのすべすべほっぺたって感じです。

e0246645_37265.jpgphoto:描かれる前の石版

石は50cm×60cmくらいでも数十キロあります。
運ぶのも大変ですが、アルミニウム版の何倍もの技術を必要とします。
まず最初に必要な技術が石を磨くこと。

e0246645_2283178.jpgphoto:磨く工程

研磨砂を間に入れて、二枚を重ねお互いに磨き合うような感じです。

e0246645_2312885.jpgphoto:磨く工程

この砂もフランスで取れる天然のもの。
ふるいにかけられた粒は均一、超微細な砂です。

小さい石版は手で磨きます。

e0246645_2325379.jpg
この機械も、この砂も、今となっては希少なもの。
この時点で既に、多くのアトリエが石版を扱わない理由が分かります。

一、重い
二、手間がかかる
三、時間もかかる
四、材料が希少...

どうして石版を扱わないのか、いくらでも言えそうなほど。

それでもこの工房では出来るだけ石版を推奨しています。
どうしてかって、それは作品を見てもらえれば分かってもらえるかと。

なんたって、ほんっっとうに美しい!
石版だからこそ生まれる美しさ、ここにしかない美しさがあるんです。

石版には"トゥッシュ"と呼ばれる溶き墨で描きます。
この墨が乾いていく工程が石版の表面に残っていきます。
その表情が本当に美しい。
他では見ることの出来ない作品の表情だと思います。
そしてこのトゥッシュの表情は、気温や湿度、季節や気候で若干変化します。
つまり作家にとってもコントロールしきれない域が生まれるということ。
それはどれだけ経験を積んだ作家にも同じことです。
観る側にもとても魅力的な表現なのですが、作家にとっては一度ハマると抜けられない石版のあまりに魅力的な世界。

この夏、資生堂で個展をされていた辰野登恵子さんもその一人。

"石版って紙に描くより気持ちがいい!"

この言葉がとても印象に残っています。
あれだけたくさんの素晴らしい作品を残してこられている辰野さんも石版制作は今回が初めてのことでした。
この作品は辰野登恵子さんの作品。

e0246645_3262174.jpgphoto:辰野登恵子"AIWIP-19"

実物を見せたいっ!と嘆きたいほど、実物は何倍も素敵なんです。

この作品の枠のようにも見えるのは石版そのままの形。
その点も石版の面白さです。
石の欠けも個性。
個性だって隠さず美しい表現の一つになります。
石との出会いも一期一会。
それすら作家は楽しみます。

作家が描いた後は職人の仕事。
いくつもいくつもある工程。
作品によって異なる技術。
それらを熟練の職人たちが見極めて調整します。

こうやってこのアトリエで描かれた作品は、
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職人の手で版になり、
e0246645_354314.jpg

マシーンに設置されます。
e0246645_39303.jpg

こうやって作品を生み出した石版さんはまた第一の工程、磨きに移ります。
磨かれた後、描かれた絵はきれいに消えてしまいます。
一度消したらもう二度とプリントすることは出来ないけど、作品としてここに残ります。
その儚さも石版の美しさ。
そうしながら石版はすこーしずつ、すこーしずつ薄くなっていきます。
その度にいい作品たくさん生み出してるんですよね。
だんだん薄くなりまた土に帰っていく石版。
それもまた、美しいと思いませんか。

作家のみなさま、一枚作ってみてはどうですか。
ピカソやマチスが製作した工房。
もしかしたら彼らが使った石版かもしれない。
その上に描くって夢見たいですよね。
きっと今まで知らなかった、感動する表現がここにあること、私は確信しています。

続く...。
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by idemparis | 2011-12-06 03:30 | idem