パリのリトグラフ工房IDEM(イデム)。

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idem物語7 -音-

今日はここの音を聴いてほしくて...

100才を越えたリトグラフのプレス機たち。
100年間殆ど休むことなく動いてきました。
世界中の仲間たちが少しずつ引退していく今日もまた、ここのプレス機たちは動き続けています。

見た目は重工なプレス機。
鉄で出来ています。
でも、100年動き続けたこの機械の音...。
角が取れて丸くなって、優しい温かい音を生むようになりました。
そんなところが少し、人と似ている気がします。

100年以上動き続けた金属の音って、なかなか聴けるものじゃないんじゃないかと思います。
ここは毎日この音。
仕事中の私のBGMです。

この心地のいい音、是非一度聴いてみてください。


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by idemparis | 2012-01-30 19:05 | idem

今日のリトグラフ:Paul McCarthy (ポール・マッカシー)

世界でここだけの宝物。

この作品は絶対に写真じゃ伝わらないよさなので、載せるか迷いに迷いました。
でも、現物がどれだけ素敵か見にきてほしくて、書いてみようと思います。
だから写真じゃ100分の一以下しか伝えられないー!って想い、どうか汲んでお読みください。

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タイトル:Untitled 17, (Ravine, Penis Gun, Yellow)
制作年:2009年
サイズ: 119 x 78cm
版数: 30ex
価格: 4400ユーロ

"超"売れっ子現代アーティスト、Paul McCarthy。
よくポール・マッカートニー(Beatls)さんと間違えられびっくりされますが、ポール・マッカーシー(仏語だとマッカーティー)と読みます。

彼の映像作品を初めて見た時、私は全身で拒否しました。笑
そして数年間彼の作品を拒否し続けてきました。
それを覆してくれたのがこれらリトグラフの美しさです。
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         タイトル:Untitled 18, (Ravine, Hairpull Dress, Yellow)

見る人をぐっと惹き付けるような黄色。
その視線を掴んで離さない強い黒。
いつ見ても、何度見ても見飽きない。
彼にしか生み出せない美しく力強いクリエーションがここにあります。

ITEM Editionsは2010年のArt Basel(アートの聖地とも言われる世界最大のアートフェアー)に参加した際、メインにこの作品を持ってきました。

ほらこんな感じ。
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するとほら、人だかり。
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写真では伝えられないこのすごさ。
ギャラリーで実物を見た人は驚きます。
ご本人も会場に来てくださり、大変喜んでくださいました。
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photo:Paul McCarthyさんの後ろ姿
写真まで撮ってくださって。
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他のギャラリーにも彼の作品がありましたが、実はこの彫刻1体60万ユーロ。

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photo:彫刻作品
それが初日に5体同時に売れました。
60万×5で300万ユーロ。
当時だと3億5千万円くらい…。
ほんと、目が点ってこういう時に使いますね。
次の日の新聞に載ったほど、その日一番のニュースでした。

マッカーシーさんは彼にしか表現出来ない独特の世界観を持っています。
こんなのもありますが、
e0246645_3541455.jpge0246645_3552948.jpgphoto:ここより引用

こんなのも〜!
...ってのが見たい方は画像や動画を検索してみてください。
リンク貼るだけで法に触れそうなので、ここに載せるのはやめておきます...。
久しぶりに彼の動画作品を見ましたが、やっぱりダメだ...。
心臓の悪い方、お食事中の方、いい夢見ながら寝たい方は見ないことをお勧めします...。

あまりの過激さに話しがずれてしまいましたが、ポルノでなく、フィクション小説でなく、"アート"としてこの世界観を具現化し、それをよしとさせるのは彼をおいて他にいないんじゃないかと思います。
それはいちアーティストとしてすごいこと。

実はマッカーシーさんの版画は世界にここだけしかありません。
この場所を大変気に入ってくださったマッカーシーさんは、長いキャリアの中で一度も作ったことない版画を制作されました。
それがこれや、
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            タイトル:Untitled 10 (Saloon, Boot Drinking)
これ。
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            タイトル:Untitled 15, (Pirate Boat)

美術館やアートフェアーで眺めることしか出来ない彼の世界観がここだと手に入ってしまいます。
"こ"金持ちになったら、これを一番最初に買いたいです。
まだ手の届かない、私の一番欲しいもの。


世界でここだけの宝物。
よかったら見に来てみてください。
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by idemparis | 2012-01-30 18:53 | 今日のリトグラフ

24 Hours Museum by PRADA

今日はIDEMのお話じゃないのですが、取りたてほやほやの記事。

今朝、出勤前に美術館に行ってきました。
その名も"24 Hours Museum"。
PRADAプレゼンツ、24時間限定の美術館です。
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この24時間だけのために会場を手がけるのは言わずと知れた建築家レム・コールハース率いる設計事務所OMAの研究機関AMO。
そしてその中の作品はミラノを拠点に活動する作家Francesco Vezzoli(フランチェスコ・ヴェッツォーリ)。
彼はレディーガガとのコラボパフォーマンスなどで有名ですが、ヨーロッパやアメリカを中心に展覧会も数多くこなし、天下のガゴシアンギャラリーでも作品を発表している注目すべき作家の一人です。

場所はパリ近代美術館やパレ・ド・トーキョー、ギメ美術館のあるイエナ。
そこにひっそりとあるのが歴史的建造物のPlais d'Ienaです。
パレ・ディエナは1930年代に建てられ、CESE(Conseil économique, social et environnemental経済・社会・環境国民議会)の建物であることから周りに比べてパブリックの印象が薄いのが実際のところ。
一体どんなものなんだろう…とわくわくしながら向いました。

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photo:建物外部(写真が悪くてごめんなさい)

会場に入るとまずAMOの内装(インスタレーションでもある)がまさに"目に飛び込んで"きます。
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その中に入るとVezzoliの作品が並ぶ。
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photo:展示風景

この作品は歴史的彫刻へのオマージュであり、女性の永遠の美しさをテーマにしたもの。
会場は"Historic - Contemporary - Forgotten"の三部構成になっています。
ここと、
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ここ。
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24時間のオープンは1月24日20時からの招待客のみのディナーに始まり、23時にはプライベートクラブに変身。
きっと昨夜はここが熱狂的空間になったのだと思います。
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photo:クラブ会場

この企画の面白いところは"美術館"と称したところ。
これをクラブやイベントと称すると普通にあると思うんですが、"24時間で消える儚い美術館"はなかなかない。
それもあってか今回のこの美術館を世界中のメディアが取り上げました。

フランスでもカルティエやエルメス、ルイヴィトン(現在美術館を建築中)など、有名高級ブランドが現代アートを中心に文化活動を行っています。
財団や基金はそれぞれのコンセプトに基づき、展覧会の開催や作家を支援。
彼らが取り上げることで世界的に知られることになる作家もたくさんいます。
しかも毎回企画が面白い!
ギャラリーとも公共の美術館とも違うあり方です。

そして企業にとっては文化支援に対する免税システムもあり、これらはとてもいい宣伝にもなるし、イメージアップに繋がる。
いいことだらけだ…。
これも一つのアートのあり方だと思います。

現代アートって分からない!!ってよく言いますし、美術史や博物館の教科書を見ながらこの展覧会を見ると、もう何がアートなのか全然分かりません。
だけど前にもお話ししましたが、美術史や教育が…とか云々じゃなく、"かっこいいかかっこよくないか""好きか嫌いか"、そしてこれは"面白いか面白くないか"で見てみるといいと思います。
そういった意味で見ると、"この美術館は面白いな〜"というのが感想。

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photo:パンフレットとチケット代わりのピン
この美術館のパンフレットの中のインタビューで、イエナでもあまり目立たないこの場所に着目したのが面白いと書いてありましたが、こういう有名ブランド、新旧アート、歴史的建造物がくみ合わさることでまた新しい一つが出来上がるのは興味深いです。
もう終わってしまった展覧会ですが、どこかに移動して開催されることがあれば是非見てみてほしい展覧会です。


続く...
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by idemparis | 2012-01-26 03:42 | 展覧会

idemに雪が降った!

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「雪だー雪だー!雪が降ったぞー!わーいわーい。」

と、思うほどプレス機が雪色に覆われました。
すごーく喜んでいる私を見て、職人さんたちは"何がそんなに?"と不思議そうでした。

この色はフランス人アーティスト、Claire Chesnier(クレール・シェスニエ)のリトグラフの制作過程の一色です。
彼女はボザール(パリ国立芸術大学)を卒業したばかり。
現在ポンピドゥーの一本裏の道にあるアニエス・ベーのギャラリーで展示中です。

アニエスb.さんご本人もアートが大変お好きとのこと。
ブティックには展示スペースがあったり、アニエスb.からアート本の出版などもされています。
そしてアニエスb.という会社も自身の基金を持ち、若手アーティストの支援も行うとても画期的なブランドなのです。

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photo:Claire Chesnier展覧会風景@Agnès.bギャラリー

こうやってパリの中心に素敵な展示空間を設け、展示を行うだけでなく展示作家の制作支援もする。
こうやってフランスでは若手の作家が育っていくのだと思います。
文化が如何に大切か、この国から学ぶことは本当に多いです。
そしてそれを支えているのが国や州や企業や個人。
美術館やギャラリーや評論家などもしっかりと自分の役割を持っています。

私の専門はリトグラフともう一つ、
「アート ー(マイナス) 制作」、つまり制作以外のアート活動を支える環境とそれにおける文化についてです。
つまり私も支える側。
専門のリトグラフに関しても制作は一切しないので、うーん、なんでしょうね、私の肩書き。
最近は"キュレーション"や"アートマネージメント"という言葉もありますが、近からず遠からず。
とりあえず"支える側"の人間です。

とにかく私、制作活動は一切しないんです。
でもよく、

「こんなところで働いていて作りたくなったりしない?」

と聞かれます。
でも、答えは「全然ならない」です。

一流の作家さん、それを目指す作家さんたちを見ていて思います。
ほんっっっとうに人生を賭して制作している...と。
私が「作ってみようかなぁ」なんて思って出来るものではないと、この世界にいればいるほど感じます。
だったら彼らが少しでも制作しやすい環境を整えるため、一人でも多くの素晴らしい作家、一つでも多くの素晴らしい作品が生まれるお手伝いをしたいなぁと思います。
そしてその作品たちを見たいと思っている人たちに届ける。
その役割を国際的に担うことができ、それが日本や日本人作家さんのためにもなれば、いち日本人としてより嬉しいです。
そんなプロフェッショナルな仕事を出来る人になりたいと、自分なりのポリシーを持ってやっているぺーぺー(修行中)です。
まだまだものすごーく右往左往しています。

あららーってくらいに全然一貫性のない記事になってしまいました。
反省。
でもきっと、これは今日言いたかったことなんでしょう。
こういう特殊な場所に身を置けるからこそ、色んなことが見えてきます。
それが少しずつ、何かしらの役に立てばいいなぁとおもいます。


初めて自分について書いてみたからでしょうか。
何だか今日は、最後まで読んでくださった皆さんに、いつもより少し多く感謝です。


追伸...
どうせ一貫性のない記事になったんだからと。
港千尋さんの展覧会をナントに見に行ったんですが、カテドラルのステンドグラスの色彩が素敵でした。
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by idemparis | 2012-01-24 03:52 | 展覧会

今日のリトグラフ: コッポラ by Dean Tavoularis

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タイトル:COPPOLA (コッポラ)
制作年:2010年
サイズ: 77 x 120cm
価格: お問い合わせ下さい

少しミーハーな話しになってしまいますが、ここでお会いした中で一番びっくりしたのがあの"コッポラ監督"です。

"うわー!本物だー!!"

と、素直に驚きました。
一体何をしにきたのだろうと思ったのですが、この工房を大変気に入ってくださりリトグラフを制作されることとなりました。

続きを読む...
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by idemparis | 2012-01-20 02:08 | 今日のリトグラフ

今日のリトグラフ: William Kentridge

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タイトル:Embossing press (エンボス プレス)
制作年:2004年
サイズ: 53 x 43cm
版数: 20ex
価格: 1800ユーロ

かのウィリアム・ケントリッジさんもここで制作を。
私がまだここに来る前の話です。
ご本人もとっても素敵な方だとか。

この作品のモチーフは何かと言うと、エンボスマークを付けるもの。
この工房にもあります。
ほら。
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で、これを使うとこうなります。
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わたし、これがとても好きで、色んな紙にぽふぽふとエンボスします。
このエンボスはここで作られたという証。
目を凝らさないと見つけられないこの謙虚な印が好きです。

それに目をつけたケントリッジさんが面白い。
工房の隅にぽつっとおいてあるこいつ。
きっと来られた際はここを歩き回って見つけたんだと思います。
気になったんでしょうね、色んなものがあるこの中からこいつが特に。
そう思うと可笑しくて。
アーティストさんってすごいですね、色んな目を持っている。

William Kentridgeと言えば、アニメーションの方が有名ですよね。
これは彼がニューロークのメトロポリタンオペラの講演用に制作したもの。
ソース:YouTube
ショスタコーヴィチのThe Noseというオペラの演目の為に作ったものです。
本当に彼の世界観はすごい。
独特の世界観です。
前回日本に帰った時に原美術館で彼の作品を見かけましたが、今も見れるのかな?
ちなみにパリでも大人気。
ぜひぜひ立ち止まってみてほしい作家さんです。
よかったら他の作品も見てみてください。
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by idemparis | 2012-01-18 20:47 | 今日のリトグラフ

今日のリトグラフ:サヴィニャックのモンサヴォン

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タイトル:Mon Savon (モンサヴォン)
制作年:1999年
サイズ: 104 x 70cm
版数: 300ex
価格: 400ユーロ

レイモンド・サヴィニャックさんもここで制作されていました。
人の心をふっと温める素敵な作品をたくさん生み出したサヴィニャック。
IDEMは彼の生前、特に人気のあった作品をサヴィニャックさんとともに再版しました。
これはその中の一枚。
その他サヴィニャックの作品

青が驚くほどきれいです。
私、これ見たときその青の美しさにほんと、力が抜けました。
ずーっと見ていたいような色。
こんなにきれいな青は世の中にもなかなかないと私は思っています。
真っ白な壁のあるお部屋にお引っ越ししたら、これをかけたい。
絶対お部屋が素敵になると思います。

日本では展覧会などでしか見かけることはありませんが、よかったらここでこの色の美しさを実際に手にとってみてください。
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by idemparis | 2012-01-17 20:17 | 今日のリトグラフ