パリのリトグラフ工房IDEM(イデム)。

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時代の節目、今日の出来事。

ここ数週間、カンカンコンコンと音の鳴り響く日が続いていました。
そして今日、これから数ヶ月続くいくつかの変化、その一つがありました。


それがこれ、何十年もここにいたプレス機の一つの旅立ちです。

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photo: 今日4月16日午前11時頃の様子。

段々解体されていくこいつ(私の中では"こいつ"って感じでした)を見ていて、なんだかちょっぴり淋しい日々でした。

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photo: お引越前の様子。

こうやって少しずつ解体。

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photo: 解体された部品が並びます。

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photo: それを見守る石版たち。

その石版たちも、しばし移動。

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photo: ぶつからないように移動中

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photo: 移動も完了!

どうやってここに入ったんだろうと思うほど、大きなプレス機。
いよいよお引越。

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photo: 移動中の様子


結局一番狭いところもたった2cmの余裕を持って通りました。


最後はちゃーんとみんなで見守りましたよ。

ほら。

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photo: 道ゆく人も立ち止まるほど、大掛かり。そしてみんなでお見送り。

吊るされて、持ち上げられて、

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トラックに乗せられて、

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そして旅立ちました。

行く先はびっくりするような場所。
きっとここよりももっと輝けるところ。
淋しさよりも誇らしげな気持ちの方が大きい。

生まれ変わった姿をいつか伝えられると嬉しいです。


そんなちょっぴり哀愁漂う今日という日でした。



そんな動きも本当はいいニュースを伝えるため。
何年も前から動いてきました
いつだいつだと待ちわびていたこのプロジェクト!!
やっと始動です。

なぜこいつがお引っ越ししたかって、大型プレス機の到着が迫っているからです!



ここで今まで制作出来ていたのは最大で80×120cmのサイズ。

それがその倍!
120×160cmのリトグラフを作れるようになります。

それを可能にしてくれるのがこのプレス機!!

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photo: 120x160cmを印刷出来るプレス機。現在は南仏で待機中。

こいつの到着が目前に迫ってきました!!

重さだけで18トン...。
いったいどうなっていくんでしょう。


ここは今、新しい時代に向けて、より多くの作品を生み出すため、変身中です。

少しの哀愁を感じつつも、たくさんの歴史をもつこの工房が更に歴史を重ねていくための節目に立合えていることはなんだか誇らしいほど。
大きな作品たちを発表出来る日が待ち遠しいです!!
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by idemparis | 2013-04-17 01:05 | idem

IDEM PARIS by DAVID LYNCH

前回来られたのが2012年12月。

その時、映画界の奇才と言われるDavid LynchさんがここIDEMを撮影しました。
いつも笑顔のリンチさんも撮影中はもちろん監督の顔。
そして出来上がったのがこれ。




David Lynch視点で撮ったこの場所。
YouTubeでの反響は大きいです。


そんな彼の作品がフランス老舗食器メーカーBernardaudで発表されています。

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12種類の柄が見れるサイトに飛びます→ David Lynch - Bernardaud 150
このページのインタビューはItem Editionsにて開催中だった展覧会の中で行われたので、彼の油彩やデッサンも動画内で見て頂けるので、ぜひ。

ベルナルドが出しているシャガールのお皿のシリーズは有名ですが、今回150周年を記念して、ジェフ・クーンズら10人の作家とコラボレーションしました。
その中にはDavid Lynch他工房に隣接するギャラリーItem Editionsに名を連ねる作家たちも。



Sophie Calle
(6/30まで原美術館にて個展が開催中 150)

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JR
(6/2までワタリウム美術館にて個展が開催中 150)

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Jean-Michel Alberola

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アルベロラさんはこの工房で制作されたリトグラフと同じシリーズで、とっても色鮮やかなこのシリーズは、工房を更に賑やかにしてくれる。
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このシリーズが印刷された後のプレス機さんたちのかわいさったら...。

ほら、こんなに色鮮やか。
かわいい...。
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このシリーズはパレドトーキョーの一室もこんなに彩っています。
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お皿、ほしい...。
どれもほしい...。
どうすればいいのか...。
現在真剣に悩んでいます。
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by idemparis | 2013-04-06 01:45 | idem

サヴィニャックの思い出。

一度、サヴィニャックのリトグラフについて書きました

この時は、色が美しく大好きな一枚としてここで紹介したのですが、そういえばどうしてサヴィニャックの作品をここで作ることになったんだろうなと思い、聞いてみました。
語ってくれたお話は、この場所が積み上げてきた歴史が生み出した物語でした。

ここのオーナー、フォレスト
真っ青な瞳の持ち主です。
その透明なブルーの瞳は人より多くのことが見えてるんじゃないかと、私は密かに思っています。

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photo:たくさんの日が差す今日のidemの様子

彼がこの場所を受け継いだのは1997年のこと。
それからしばらくしてここで働いていたという年をとった職人、イヴ・メルシェルに出会いました。
その職人はは言いました。

「自分の父親もまた、リトグラフの職人だったんだ。カッサンドルやサヴィニャックは父が手がけたんだよ。」

そしてこう続けます。

「そしてその中のサヴィニャックの一枚は自分が手がけたんだ。」

フォレストは驚いたと言います。
いつの話だろう。そんなことってありえる??
そう思ったのだそう。

その昔、この職人さんがまだまだ今の私のように新入りだった頃、きっと眉間に皺が刻まれた父を師匠として一生懸命手がけたんだと思います。
それが1949年のこと、この一枚でした。

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作品:Mon Savon au lait (モンサヴォン・オ・レ)

フォレストはその話をすぐにサヴィニャック本人に伝えました。

"その作品からちょうど50年。それを祝って再版しましょう。"

というとっておきのアイディアも付け加えて。
とっても喜んでくれたサヴィニャックご本人とともに、それから2004年までの間に5枚のリトグラフが再版されました。

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作品:La Corse A Corté, 2002
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作品:Téfal, 2004
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作品:MonSavon, 2000
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作品:Seb Régale Vite, 2003


サヴィニャックの作品を作るきっかけとなったMon Savon au Laitの裏にはこう書かれています。

「Yves Melcherの携わった1949年から50周年を祝っての再版」

1949年から半世紀、1999年のことでした。


これに加えて、もう一枚作られたリトグラフがあります。
それがこれ、オランジーナ。

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作品:Orangina mieiux qu'un soda

これも他の作品と同じように裏に説明が書いてあります。

"1964年の試し刷りを経ての初版"

当時、リトグラフでの試し刷りは作られながらも、何かしらの理由で印刷されなかったサヴィニャックの代表作の一つ、オランジーナ。

数十年の時を経て、初めて印刷されることとなりました。
現在も世界中で親しまれているオランジーナ、このことを問い合わせたらとっても喜んでこの初めての印刷を賛成してくれたそうです。



ここがずっと動き続けてるから生まれる物語。
ここがずっとここにあるから生まれたリトグラフ。
このオランジーナはもう残り数枚。
そう思うと少し淋しくもあります。

色んな人たちの想いや人生がたくさん詰まったこれらの作品。
大切な人へのプレゼントに、いつかしようと思っています。
でもまずは自分へのご褒美に青とピンクのモンサヴォン。
毎日お家に帰るとき、このぽにっとした顔が出迎えてくれると思うとほっこりします。



この話を聞いてまたもう少し、この場所が好きになりました。
作品について、工房について、どうぞいつでもご質問下さい。

akiko.otsu@idemparis.com
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by idemparis | 2013-04-04 22:43 | リトグラフ