パリのリトグラフ工房IDEM(イデム)。

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追記: 楽園のカンヴァス - 原田マハさん 著 -

以前お話しした原田マハさん著作の「楽園のカンヴァス」

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この本が今年の山本周五郎賞を受賞されました。
そして現在、直木賞候補としてノミネートされています。

ご紹介したときはこんなことになるなんて考えてもおらず、
というより評価云々でなく、ただただ読んでもらいたい一冊でした。
それでもこの結果はとっても嬉しく、一人でも多くの方に手に取ってもらえればいいなと思います。

この本の中に出て来る言葉、

"アートを理解する、ということは、この世界を理解する、と言うこと。
アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。"

ですが、前回のブログを書いてから3ヶ月。
たった三ヶ月ですが、この意味が少しずつ分かってきています。
それはきっと、この本に出会ってこの言葉を意識するようになったから。
それくらい、私にとって大切な本になっています。


このブログを読んでくださる皆さんにもぜひ、手に取ってもらえれば嬉しいです。

追伸
工房では、今日はこんな色をプリント。
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素敵な色。
手で作るここでの色は、どれも世界で一色だけ。
だから素敵な色に出会うと、せめてカメラにだけは収めておきたいと思っています。
この色を使ったリトグラフも、出来上がったらここでご紹介しますね。

さて、リンチ展物語の続きを書きたいと思います。
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# by idemparis | 2012-07-09 21:04 | 作家/作品

リンチ展開催の小さな物語。

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photo:リンチ展@ヒカリエの様子(photo by Kenji Takahashi)

今日のブログは、かなり主観的な内容となっています。
私が持つDavid Lynchさんの印象や小山登美夫さんのイメージ。
そしてリトグラフに対する想い。

David Lynch展@ヒカリエの開催に至るまでに私個人の周りに起こったことです。
もしかしたらこれを読んでくださる皆さんのイメージや感想とは異なるところがあるかもしれません。

今回のお話を映画に例えると、David Lynchという主人公がいて、item editionsのオーナーや小山登美夫さんが名脇役として存在します。
私はその画面に1,2度見切るような存在でしょうか。
でもそこから見る小さな物語もなかなか味があるもの。
それを語りつつ、リンチさんの展覧会に関するお話に一旦区切りをつけようと思います。


2011. Nov in Paris...

私の働くリトグラフ工房IDEMにリンチさんが来られて既に5年目。
作品はすでに120点を超えていました。
ここのギャラリーItem Editionsでは、ロサンゼルスから着いたばかりの最新作を展示していました。

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photo:当時の展覧会様子

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photo:2011年オリジナル 最新作(*価格はお問い合わせ下さい)

この展示をリンチさんは奥様のEmilyと見にきてくださいました。
すっごく美人さんなんだけど、気取らずいつも笑顔なEmilyは美人と言うよりとってもかわいい人。
いつも私のネイルの色に興味津々。
そんな二人がゆっくりじっくり展示を楽しんでいます。

"This Bird Was Singing in The Tree and Then the Moon Come out...って読むの?素敵。"
と、Emilyが聞くと、

"そう、そう読むんだよ。"
と、とっても優しい笑顔でDavidが答えます。
本当に素敵なカップル。
そんな彼らのために何か出来たらいいなぁ。
彼らよりもずっと非力でまだまだ未熟者の私も、彼らが笑顔で居てくれたらいいなとそう思っていました。

こうやって周りの人たちを笑顔にしながら、きっと多くの人がこの人を笑顔にしようと動いてきたんだと思います。
David LYNCHってそんな不思議なパワーを持った人なんです。
彼がいろいろ成し遂げてきたのは、彼の持つパワーとそれに魅了されたたくさんの人たちのお陰だと思います。

そして展示をEmilyととっても幸せそうに、ゆっくりじっくり見た後、リンチさんはこう言ってくれました。

"Formidable!! 本当に素晴らしい展示!すっごく嬉しいよ。"

その言葉がとっても嬉しくて。
本当に嬉しくて、やっぱりこの人たちを笑顔に出来たら嬉しいなと、もう一度思いました。
だから私は勇気を持って言ってみたんです。

"あのね、私もこの作品たちが大好きなの。とっても美しいと思うの。だからいつかね、日本のリンチファンにも見せたいの。それが私の今の夢の一つなの。"

そしたらリンチさんはこう答えてくれました。


"Wondaful! Dream comes true! (夢は叶うよ)"



つづく...
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# by idemparis | 2012-07-06 00:49 | 展覧会

Ed Koren 追記

先日お話ししたEd Korenさんの心温まる一枚。

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THE NEW YORKERのサイトで取り上げてもらいました。
ここでの制作のお話。

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http://www.newyorker.com/online/blogs/culture/2012/06/cover-story-ed-koren-summer-chore.html
(THE NEW YORKERサイトのEdさん紹介記事へ飛びます。)

とっても大好きで素敵な雑誌ニューヨーカー。
嬉しいです!!
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# by idemparis | 2012-07-03 22:27 | 今日の出来事

David Lynch展@ヒカリエ 開催の裏側!! の続き

いよいよ始まります!
David Lynch展@ヒカリエ

昨日のお話でとうとう出来たDavid Lynchリトグラフ専用和紙!
そのお話の完結編です。

そんなこんなで出来た和紙

その違い、ドアップで見てみてください!!
2007年と2009年の作品は前の紙。
2012年の作品が今回新たに作った紙です。


どんっ。

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photo:2007年作品接写

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photo:2009年作品接写

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photo:2012年作品接写


…て、わかりにくい...。
分かりますか?違い...。
写真だと全然伝わらない。
か、かなしい…。涙

でも実物は驚くほどに違います。
オーナーも職人も、リンチさんご本人も大満足の結果が出るほど。
今までは出なかったところまで細かい表現が出ます。

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photo:職人と森木さんが以前の紙と特注の紙を比べているところ

というわけなので、よかったら実物を見に行ってください、ヒカリエ、リンチ展。
(すいません…涙)
職人さんの手でリトグラフのためにと想いを込めて作られた紙、本当に素敵なんです。
出来ることならパリの工房に来てその違いを見て、触ってほしい!
(注:ヒカリエでは触ることは出来ません。)

もちろん紙の好みは分かれるかもしれません。
もしかしたら今までの紙の方が好きな方もいらっしゃるかも。
2007年のタッチはダイナミックで、黒も強くパワフルさに溢れています。

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« Woman with Dream », 2007 courtesy Item Editions

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« Hello, Good Bye », 2007courtesy Item Editions
photo:パワフルさに溢れる2007年シリーズ

確かにそれらシリーズには以前の紙がマッチしているかとも思います。

でも今はリトグラフ職人が驚くほどに繊細なタッチで石版の上に描かれるリンチさんには、今回新しく作った紙は本当にぴったりです!
リンチさんの作品に合った紙を作って頂けたことは確か。

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« Sputnik Tower Building» courtesy Item Editions
photo:作った紙にプリントした2012年シリーズ


すごくすごくすごーくかなり嬉しいです。


そのリトグラフ専用の和紙を作ってくださる職人さんに行き着くことは、きっと簡単ではなかっただろうと思います。
この工房としてのオーナーの意見、そして職人の意見、そして何より作品とリンチさんのためにいい紙を!
申し訳ないほどにこちらからの注文も多く、恥ずかしいほどに和紙について無知な私は、色々と森木さん職人さんを困らせはしなかったかなと思っています。
この場を借りて改めてお礼をお伝えしたいと思います。


リンチさんの作風が好きな方、リトグラフに興味がある方、この和紙を見てみたい方。
どれか一つでも当てはまったらやっぱり足を運んでほしい。
この一ヶ月弱を逃したら、次はいつ日本で見てもらえるか分かりません。


将来の日本和紙を担うであろう和紙職人さん、和紙に対する想いは人一倍強い森木ご夫妻、リトグラフとこの工房を未来へ繋ぐここのオーナー、いつも笑顔で"Fantastic"と言うDavid Lynchさん、そして人生をリトグラフに懸ける工房の職人たち、リンチの世界を日本で見せたいとこの機会を作ってくださった小山登美夫さん始めギャラリーの方々。
たくさんの人の手を渡り、日本で生まれた和紙がパリでリトグラフとなり、今回日本に帰りました。
この機会にぜひ、これらの作品を手に取って頂ければ嬉しいです。

最後に、出来立ての和紙をパリまで持ってきてくださった森木ご夫妻とLynchさん。
丁度制作に来られていたリンチさんご本人もとっても喜んでくださいました。
こうやって人の輪が繋がり、いいものが生まれ、笑顔が生まれ、その笑顔がまた人を繋いでいければいいなと思います。

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photo:David Lynchさんと森木ペーパー森木ご夫妻




最近工房の様子をお伝えしていませんが、こんなカラフルなJean-Michel Alberolaの新作シリーズを作っているところです。
これは4月にリニューアルオープンし、ヨーロッパ最大の現代アート展示会場となったパレ・ド・トーキョー内にある会議室の壁シリーズです。
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photo:パレ・ド・トーキョー内会議室

お陰で工房がとってもカラフルになっています。

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photo:今日の工房の様子


あ、もちろんヒカリエの会期を逃されても、ここにはいつもDavid LYNCHリトグラフシリーズが全作品揃っています。
パリにお住まいの方、パリに来られる方はぜひ工房、ギャラリーに来てください。
お待ちしています◎
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# by idemparis | 2012-06-27 01:54 | 展覧会

David Lynch展@ヒカリエ 開催の裏側!! の続き

さてさて今頃日本の梅雨の湿気具合にびっくりしているだろうリ
トグラフの和紙たち

お話の続きです。


偶然工房に眠っていた和紙。
これに印刷してみる?って、第一作目を印刷したのが始まり。

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photo:第一作目« Insect and Woman »courtesy Item Editions

"石の上に描く"という行為をとっても気に入ってくださったリンチさんに、オーナーは大きな石を出しました。

"もっと大きな石に自由に描いたらいいじゃないか。"

それがこの作品。
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photo:第二作目« Insect by House with Woman »courtesy Item Editions

そこからすでに5年。
この工房を第二のホームだと言ってくれるほど、ここをだーい好きでいてくれています。
そしてパリに来る度にたくさんの作品を描く。
数えればすでに150点を越えています。
いつしかリンチさんが来る度に大量の和紙を発注することとなっていました。


よりいい形でいいものを生み出したい。
そう考えるここのオーナー、パトリス・フォレストはその時はまだここで働いていなかった私に頼みました。


"日本から直接紙を頼めないだろうか。出来るなら職人に直接会って作ってほしい。"


それが2009年のこと。
どれだけの和紙会社のホームページを見たことか。
でも、うちのような需要はほとんどないのか、自力で見つけることは出来ず。
それでも時間がかかった末にようやく辿り着いたのが森木ペーパーさんでした。

"とっても信用の出来る方だから"

と紹介してくださったのは、同業者の方。
その言葉は、何よりも私の背中を押す言葉。

"森木さんにお願いしてみよう。"

そう思ったけど、その時はまだ、今のような関係が生まれるとは思っていませんでした。
そしてそこから3年がたった今、森木さんはこの工房にとってなくてはならない人となっています。

森木さんは1925年に創業された輸出を中心とした和紙の専門商社の三代目。
欧米を中心に現在25カ国で和紙を紹介されています。
リンチさんが和紙にプリントすることになったのは間違いなく森木さん、もしくは森木さんのお父さまのお陰なのです。
和紙への想いは人一倍強く、良心的で素晴らしいお仕事をされる心から信頼出来る方。

お付き合いをさせて頂いていた当初から、いつかリンチさんのリトグラフのために最も適した紙を作りたいと相談させて頂いていました。
それは決して簡単なことではなく、それから二年以上が経っていました。
そしてそして!!今年の二月、森木さんのお陰でやっとやっと職人さんに出会うことができたのです!
待ちに待ったこの機会。さっそく打ち合わせも兼ね、工房を見学させてもらいました。


工房では素材の違いや工程を教えて頂き、
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photo:材料の自家栽培もされているようで、刈り取った後でしたがこう言うものだと見せてもらいました。

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photo:和紙の材料となる楮など…

実際に作ってらっしゃる場面も見せてもらう。
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photo:紙をすいている風景

ふむふむ。

で......

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photo:出来立ての紙

出来立ての紙ってーーー!!
こんなにもふわっふわでキレイ!!
ひんやり赤ちゃんほっぺな石版と相性がいいのを感じるほど!!

そして一枚一枚丁寧に乾かされます。
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photo:乾かすのも全て手作業

職人の手仕事って共通するんですね。
仕事は違えど、うちのリトグラフ工房の仕事と重なります。

そして遂に遂に!!
David Lynchさんのリトグラフ専用の紙が出来上がりました!!!

と、言うところですいません、長くなったので次に続きます。
次回はその紙の違いをじーっくり見てもらいたいと思います!

ふ〜。
思い余ってか、今日はやけにテンションの高い記事となりました。
ヒカリエでの展示まであと二日。
一番わくわくしているのは私かもしれません。
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# by idemparis | 2012-06-26 01:37 | 展覧会