パリのリトグラフ工房IDEM(イデム)。

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David Lynch展@ヒカリエ 開催の裏側!!

今日は展覧会開催の裏側のお話をしたいと思います。
その中でもリンチさんの作品に使われている紙のお話。
書いていたらとっても長くなってしまったので、2,3回に分けてお話ししたいと思います。
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photo:ギャラリーItem Editions@Parisでの展示風景

リンチさんが初めて来られたのは今から5年前、2007年のことでした。
その時の感動をこう語ってくださっています。

"私はこの素晴らしい場所に足を踏み入れ、そして彼らのお陰でここでの制作の機会を得ることができた。全てがまるで夢のよう。そして新しいリトグラフという世界と石版のマジックに足を踏み入れたのである。(Idemサイトより引用)"

それも、それまで一度もリトグラフを作ったことなかったリンチさんにオーナーが

"やってみる?"

と言ったのが始まり。
これがその初めてリンチさんが石版に触ったときの作品です。
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photo:« Insect and Woman »,2007 courtesy Item Editions

それからの作品は既に150点を超えています。
それは私がここに入る前の話ですが、何のご縁なのか一作目からリンチさんは日本の和紙に作品をプリントされています。

『David LYNCH×和紙』

なんて想像出来ますか?
私は出来ません。
でもそれらがなんともしっくり、本当に新たな美しさを生み出したのです。
それがこのリトグラフのシリーズ。
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photo:4月にプリントされたばかりの2012年シリーズ,courtesy Item Editions

"どうしてDavid LYNCHに和紙なの?"

オーナーに尋ねてみました。
聞かせてくれたのは何とも不思議なご縁の話。


彼がこの工房を受け継いだのは1997年のこと。
その時彼は会社も、仕事も、プレス機も、石版も、職人も、技術もぜーんぶ受け継ぎました。
そこらへんに置いてある材料もストックも、いつからあるか分からないいたずら書きも、ここに住むネズミたちまで(!)、前オーナーのムルローさんが置いていったものは全部。
そしてその中にあったのが65.5 x 49.5 cmの手漉き和紙でした。
偶然にも。

実はリトグラフに和紙を使うことは過去にもいくつも例があります。
過去にもこんな作品たちが作られていますし、水彩絵の具や墨と違ってリトグラフのインクは紙にあまりしみ込んでいかないため発色もいいのです。
そして和紙と言うと高級で繊細、品のいいイメージもあり、ヨーロッパの方からしてもとっても美しい紙。
好んで使う作家さんも少なくありません。
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photo:Jean-Michel ALBEROLA, « Iablonoi », 1992,courtesy Item Editions, 和紙にリトグラフプリント

そんなこんなで、ぽつり、と長い間眠っていた和紙にスポットが当たりました。
いつもオーナーが"偶然ではないよ"というけれど、今思うとそれは本当に偶然じゃなかったんだろうなぁ。
だってここに日本人の私が勤めることになり、そのリトグラフたちが初めてアジアを旅するのが日本で…。

6月27日から渋谷ヒカリエ8階、小山登美夫さんのギャラリーでこのリトグラフたちを含む展覧会が始まります。
作品たちはちゃーんと飛行機にみんなで並んで乗って、日本に到着しました。
もともと日本で生まれた紙たち。
今頃は故郷の湿気具合に

"そういえばこんなだったー!!"

と私と同じようにびっくりしていることだと思います。
そんなふうに想像すると愛着がどんどん湧いてきます。
ほんとかわいい大事な仲間たちです。
会期は7月23日まで。
ぜひ足を運んでみてください。

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photo:工房にて、制作風景

お話はまた明日に続きます...
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# by idemparis | 2012-06-21 01:58 | 展覧会

エルメス×杉本博司展@アートバーゼル

先週末は世界最大のアートフェアー、"Art Basel"に行ってきました!!!
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photo:メイン会場正面

私は今年で三度目ですが、本当に刺激的で感動的な幸せ空間です。
膨大な量が世界中から集まり、見応えバツグンのこの会場はパラダイス!
パリに戻ってきた今も

"はぁ〜♡"

と酔いしれてしまうほどに。

作品、作家、ギャラリー、コレクター、キュレーターや学芸員、評論家と、小さな美しい町バーゼルに集います。
規模は年々拡大し、本家のアートバーゼルから若手ギャラリーや作家に注目するサテライトのフェアー、美術館も合わせて展覧会をオープンさせたりと街全体がショー会場になります。

アートバーゼルについて書くには、余りに情報量が多すぎてまだ頭を整理出来ていないので、とりあえず小さな展覧会から紹介してみます。

"Hermès collaborate with Hiroshi Sugimoto"

会場は、古い建物にヘルツォーク&ド・ムーロンがリノベーションを施した、建築を見に行くにも興味深いMuseum der Kulturen
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photo:美術館の外観(二枚目の写真の上部分がヘルツォーク増築部分)

本来はここは"民族"というものをテーマに掘り下げて紹介する美術館らしく、儀式に使われた装飾品やそれらにちなんだ作品が飾ってありました。
その二階のスペースがこの企画の展覧会場。

民族がテーマの土や石を素材とした作品を通り抜けた先に、まるで正反対の真っ白で無機質な空間が現れます。
そこに展示されているのが杉本博司さんの作品をモチーフとしたエルメスのスカーフ、
"カレ(Carré)"。
会場は撮影可能とのことです。

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photo:会場風景

真ん中にはクリスタルのオベリスクが立っているのですが、もともとオベリスクは太陽ととても深い関係にあります。
たとえば、出来る影が日時計の役割を果たしていたり、先が四角錐になっていて太陽の光を一身に受ける存在として崇められたり。
エジプトで古くに作られ、オベリスクは太陽神を象徴するもの。
もちろん制作されて時代背景や文化もあってか、本来は殆どが石で作られています。
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それがクリスタルで作られるとどうなるのか。
本来、上部を金属で作って太陽光を集めて反射することで神を象徴するものとされていたものが、クリスタルだと光が通った時に乱反射を起こしてしまうんです。
プリズムってやつです。
ほら。
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こうやって光の屈折や乱反射が起こります。
光を集め、乱反射させて分散したり錯覚を起こさせたりします。

"この世の何が正しいのか、太陽の光すら乱反射している"

と、美しい見た目とは裏腹に、まるで難問を問いかけているようです。

オベリスクの意味や歴史を、"写真家(光を切り取る作業が作品となる)"が拾い、再構築する。
写真家の作品だからこそ、という面白さがここにあると思います。

とりあえず見るだけでもキレイなものなので、機会があればぜひ見てほしい展覧会の一つ。
しかもエルメスですから、ただファッションとして興味を持つのもいいと思います。
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photo:スカーフとしても飾ってあります。

きれいだー...

この企画のもう一つの見応えは、こうやって最上級のクオリティを追求し信念を持つ人たちが一緒にものを作ることで、また新たなものが生まれるってところ。
売ること、宣伝を目的としたコラボレーションも多々ありますが、これは間違いなくそれとは一線を画したもの。
結局、欲しいな〜(買えないけど)なんて思ってる自分はいるんですが、手に取らずとも見ているだけで美しいって言えるこの作品。
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ちなみにですね、ギャラリー小柳さんを始め、アートバーゼル内では各所で杉本さんの作品を目にしました。
この会場に飾られるってことだけで、とても難しく名誉とも言えること。
杉本さんの世界での評価の大きさを物語っています。
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photo:隣の作品はアレクサンダー・カルダー

エルメスとコラボをした作品もありました。
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この作品は40万ドルで売れたとか!
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photo:ギャラリー小柳@Art Basel

"すごー。"

って、かんじですね。

それにしても、日本文化が受け継いできた美意識を背景に制作する、杉本博司さんのような作家さんが、こうやって世界で評価されていることは、同じ文化を共有する日本人としてはとても嬉しいなーと思います。


と、なんだか日本が恋しくなってきたところで。

日本は台風が東日本を横断中とのこと。
どうぞお気をつけてください。


続く...
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# by idemparis | 2012-06-20 01:59 | 展覧会

今日のリトグラフ:Ed Koren

Ed KORENさんの心温まる一枚。
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courtesy Item Editions

タイトル:La Petite Reine
制作年:2012年
サイズ: 65 x 50cm
版数: 50ex
価格: 500ユーロ

Edさん、御年77才!
アーティストで、絵本作家で、イラストレーターです。
ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちと生粋のニューヨーカー!
接してみて、生粋のニューヨーカーな感じをひしひしと感じた私です。

例えば、毎日工房に自転車で来ます。
あ、ママチャリみたいなのじゃなくて、スポーツのようなスタイルでヘルメット被って、リュックに道具を入れてさわやかに現れます。
セントラルパークを横切って今日も来たんだなーなんて思っちゃうほどのさわやかさ。

そして大量のコーヒー。
エドさんの滞在中、工房のコーヒー豆があっという間になくなっていきました。
それに気づかなくて減るスピードの速さに不思議に思っていたら、職人たちが

"エドがすごーくたくさんコーヒーを飲む(怒&笑)"

と言っていました。ぷぷ。
自転車に乗って移動し、コーヒーをたくさん飲むのは私の勝手なニューヨーカーに対するイメージなのですが、NY大好きな私からするととっても素敵な存在。

そんなエドさん、ただただ生粋のニューヨーカーってだけじゃないんです。
なんとエドさん、50年に渡ってNYを代表する雑誌"The New Yorker"にずーっとイラストを描き続けている方!!

わわわ。って感じです。

というのも、うちの母が私が生まれる以前よりずっと購読している雑誌、それがThe New Yorker。(あ、英語は読めないんですけれども。)

"もうやめるかしら…"

と取り続けながらも、そう母が言うほど山になって家にあります。
だから私にとってこの雑誌はとっても身近だけどすごく遠くにあるもの。

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The New Yorker"
photo:1925年2月21日第一号

これは1925年創刊のとっても歴史があるアメリカの雑誌です。
主にニューヨークの文化やイベントをエッセイや批評評論を交えながら紹介しています。
そこに風刺画などの面白可笑しくとっても素敵な挿絵がたくさん載っているのも世界中にファンを持つ理由の一つ。
そして何よりも素敵なのが毎号とっても素敵な表紙!

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このあたりなんかかなり好みです。

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フランス人が大好き、私も大好きなプチ・ニコラの作者Sampéもここの常連。

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もうにやけてしまうほどにかわいいですね。


そんなイラストが大人気のThe New Yorkerは、もう何冊もイラスト集を出しています。

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ちなみに、母がずーっと仕事で使っているダイアリーはここのもの。
見開き一ページが一週間で、そこには必ず一つ二つのイラストが載っています。
本当に文化が凝縮された素敵な雑誌。

調べたら、エドさんが描いた作品もたーくさんでてきました。

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表紙だけじゃなく、中の挿絵もすごく素敵!!


と、前置きが長くなりましたが、そんな素敵なニューヨークの風とパリの歴史が混ざったのがこのリトグラフ作品です。

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courtesy Item Editions

これらは5枚+表紙のセットにもなっています。

ニューヨークとパリの文化コラボレーション。
そんな作品が生まれちゃいました。
もしかしたらいつかこの中の一枚がThe New Yorkerの表紙になるかもしれません。
個人的には、これからたくさんの文化を見て吸収していくだろうお子さんたちのお部屋に飾ってほしい作品です。

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photo:製作中のエドさん(右)と職人
エドさんがツノのある生き物を描いてたので、いたずら好きの職人たちが工房にあるツノを出して並べていましたー。

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photo:とっても素敵なお人柄のエドさんはみんなとすっかり仲良しに。お昼にみんなでワインです。


続く...
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# by idemparis | 2012-06-14 07:02 | 今日のリトグラフ

David LYNCH展 in Japan!!

今日は朗報。
日本での情報で既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ついについに日本でのDavid LYNCHさんのリトグラフを含む展覧会が開催されることとなりました。

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courtesy Item Editions
わーいわーいわーい。

すごーくすごーくものすごーく嬉しいです。
数年前からいつか日本で見せることができればと考えていました。
一年ちょっと前から動き始めました。
でもなかなかすんなりはいかず。
それをやっと叶えられます。
というか、叶えてくれます、あの小山登美夫さんが。

開催期間は6月27日から7月23日。
場所は先月オープンしたばかりの渋谷ヒカリエ8階、小山登美夫ギャラリーです。

今回発表される作品は日本はもちろん、アジアでも一度も発表されたことがないものばかり。
フランスを始めヨーロッパでとても人気のシリーズです。
特に2012年の最新作は先月リンチさんが来られた際に作られたもので、ここ以外ではまだパリですら発表されたことのないもの。
完全未発表作品です。
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photo:工房にて、製作中のリンチさん

それら新作が間に合うかも分からなかったし、日本がその作品初お披露目の場になるなんて考えていませんでした。
選んでくださった小山さんには本当に感謝ですし、それよりもさすがの目の付けどころと言いますか、本当にすごい方だと改めて思います。

それらリトグラフに加え、オリジナル作品も多数展示される予定です。
リンチさんは映画監督として有名ですが、学生時代から画家になりたくてずーっと絵を描き続けていました。
2007年にパリのカルティエ財団がアーティストとしての作品を一挙に公開してからは、作家としての才能を大きく評価されて世界各国で発表されることとなりました。
彼の頭の中にある世界が映画や音楽、写真や絵画を通して外に出てきます。
私達はその世界のほんの一部を彼の作品から覗くことができます。
だから、デヴィッド・リンチの世界観のファンの方にはぜひとも見てほしい。

少し前までギャラリーにこんな作品がありました。

前にもお話ししましたが、これは彫刻作品。
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私はこの靴をリンチさんの世界のシンデレラが落としていった片方だと思っています。

リンチさんが描いたキャンバス生地でクリスチャンルブタンさんが作ったもの。
ちゃんと真っ赤な靴底です。

今これはパリのサンジェルマンデプレ界隈にあるルテシア(Hotel Lutetia)というホテルに飾ってあります。
ルテシアにはDavid Lynchスイートルームなるものがあり、ここはリンチさんの作品で溢れています。
YouTubeにも公式の動画がUPされていました。



今回渋谷ヒカリエで発表される作品は、この彫刻こそないもののこのシリーズも含んでいます。そして2007年から2009年のリトグラフ作品を全て掲載しているカタログも数量限定で置かれる予定です。
ぜひぜひ足を伸ばして見に行ってほしい展覧会。

この工房から生まれた、私の大好きな作品たちを日本で見てほしいです。
私も、この展覧会の最終日には間に合うように日本に帰る予定です。
結構わくわくしています。
いつもここで見ている作品たちだけど、パリとは違う渋谷の喧噪の中で見る作品たちはまた違ったように見えると思います。

いつもこのブログで小さい写真しか見せれないけれど、やっと実物を日本にお届け。
私の大好きな石版の表情も見てほしいです。
リンチさんの作品が好きじゃない方も、作品が分からないくらいに思いっきり近寄ってこの石版のテクスチャーを見てみてください!

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photo:石版に描かれた作品。(印刷前)

もしタイミングが合えば、最終日辺りに会場でお会いしましょう。


渋谷ヒカリエ小山登美夫ギャラリー
http://www.hikarie8.com/artgallery/2012/04/post-1.shtml
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# by idemparis | 2012-06-01 02:32 | 展覧会

楽園のカンヴァス - 原田マハさん 著 -

マハさんに出会ったのは昨年、パリではもうすっかり夏が過ぎ去った9月終わりのことでした。
その数日前、眩しいほどに美しい友人、伊藤ハンスさんから連絡がありました。

"アトリエを見せたい、あきちゃんに紹介したい人がいるんです。"
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小説家で、もともと美術関係のキュレーターをされていた方とのこと。
説明はそれだけだったけど、私がその人となりの美しさに一目惚れをしたハンスさんの紹介だったからか、少し緊張からそわそわしながらもお会いするのがとても楽しみだったのを覚えています。

もう半年以上前なのに、お二人が入り口から入って挨拶をして、どうやって工房を見せたか、どんな会話をしたか、どんな服を着ていたか、はっきりと覚えています。
忘れっぽい性格なのにも関わらず、不思議とその後大好きになる人たちとの出会いはよく覚えているんです。
そしてこのアトリエにとっても感動して、とっても楽しんで頂いていたのもとっても印象的。
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その方は原田マハさん。

「カフーを待ちわびて」
「ランウェイ☆ビート」

など、映画化もされているようで、その作品を知っている人も多いかもしれません。
さらには森美術館立ち上げに深く関わり、かのMoMA(ニューヨーク近代美術館)でもキュレーターとしていらっしゃたようで、素晴らしい経験をお持ち。
(マハさんがどんな方なのかは後から知りましたが…。)

初めてお会いした時、マハさんに言われました。

"本当にこの工房が大好きなのね。それがすごく伝わってくる。"

って。
そして、

"あなたは大丈夫。とってもキラキラしていて素敵だから。"

って。
すーっごく嬉しかったその言葉は、少し元気がなくなったときの私のパワーの源の一つになりました。
そんなこと、初めて会った人になかなか伝えるのって難しいと思いませんか?
私もそんなマハさんの素敵なところ、見習いたいと思っています。
直接お会いしたことはまだ二回しかありません。
でもまた会いたいなぁ、と心からそう思わせてくれる人です。

前置きが長くなりましたが、小説家としてキュレーターとしてたくさんの経験と知識を持ったマハさんが新しい小説を出しました。

"楽園のカンヴァス"
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(原田マハ著、2012年、新潮社)

マハさんが自分の経験と知識をもとに初めて書いた美術の分野をテーマにした小説。
”これはぜひ読んでほしいの。”
そう言うマハさんの、きっと挑戦的だけど確信的な、メッセージと自分自身の想いが詰まった一冊。
アートミステリーと分類されているけど、カテゴライズせず"読んでみてほしい"、そう言いたい本です。

この本を読んで、私はマハさんがより大好きになりました。
そして、自分の仕事がもっと好きになりました。
でも、自分はまだまだだなーなんても思っちゃったりしました。

この小説の中に一つの文章が出てきます。

"アートを理解する、ということは、この世界を理解する、と言うこと。
アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。"

この意味を理解してください、とは言いません。
実際、私もまだここまで思えていません。
でも、アートって、一人の夢や強い想い、自然や愛情や恋、そして欲や権力やお金や社会状況や、戦争や宗教、宇宙や過去も今も未来もぜーんぶ含んでいます。
私を含め、その面白さに魅了されている人たちの中身を覗くことができる一冊。


"アートを理解する、ということは、この世界を理解する、と言うこと。
アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。"

何故こんなことが言えるのか。
その世界のヒントが隠されています。
共感は出来なくてもいいので、こんな面白い世界もあるんだなーと読んでほしいです。


以前も出会いについて書きましたが、この工房にはこんな素敵な出会いがたくさん詰まっています。

photo:ここでの出会いと笑顔。
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追伸
マハさんは漫画家である私の叔母の漫画を読んでくださってたとのこと。
"口の中が♡なのよね"(漫画内の登場人物に関する)
と言っていました。
こんなご縁も面白く、色んな人が私に縁を運んできてくれてるんだなぁと、また自分のいる環境に嬉しくなります。


今もまた、プレス機の回る音をBGMにブログをアップするところです。
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# by idemparis | 2012-04-06 19:06 | 作家/作品