パリのリトグラフ工房IDEM(イデム)。

カテゴリ

idem
item editions
今日の出来事
展覧会
リトグラフ
作家/作品
アートとは
今日のリトグラフ
私の軌跡
コンタクト

以前の記事

2013年 06月
2013年 04月
2012年 10月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月

検索

その他のジャンル

最新の記事

ダリ / Salvador ..
at 2013-06-28 00:14
時代の節目、今日の出来事。
at 2013-04-17 01:05
IDEM PARIS by ..
at 2013-04-06 01:45
サヴィニャックの思い出。
at 2013-04-04 22:43
JUN INOUE 続き
at 2012-10-24 21:33

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧

エルメス×杉本博司展@アートバーゼル

先週末は世界最大のアートフェアー、"Art Basel"に行ってきました!!!
e0246645_1411542.jpg
photo:メイン会場正面

私は今年で三度目ですが、本当に刺激的で感動的な幸せ空間です。
膨大な量が世界中から集まり、見応えバツグンのこの会場はパラダイス!
パリに戻ってきた今も

"はぁ〜♡"

と酔いしれてしまうほどに。

作品、作家、ギャラリー、コレクター、キュレーターや学芸員、評論家と、小さな美しい町バーゼルに集います。
規模は年々拡大し、本家のアートバーゼルから若手ギャラリーや作家に注目するサテライトのフェアー、美術館も合わせて展覧会をオープンさせたりと街全体がショー会場になります。

アートバーゼルについて書くには、余りに情報量が多すぎてまだ頭を整理出来ていないので、とりあえず小さな展覧会から紹介してみます。

"Hermès collaborate with Hiroshi Sugimoto"

会場は、古い建物にヘルツォーク&ド・ムーロンがリノベーションを施した、建築を見に行くにも興味深いMuseum der Kulturen
e0246645_1463676.jpg
e0246645_1471681.jpg
photo:美術館の外観(二枚目の写真の上部分がヘルツォーク増築部分)

本来はここは"民族"というものをテーマに掘り下げて紹介する美術館らしく、儀式に使われた装飾品やそれらにちなんだ作品が飾ってありました。
その二階のスペースがこの企画の展覧会場。

民族がテーマの土や石を素材とした作品を通り抜けた先に、まるで正反対の真っ白で無機質な空間が現れます。
そこに展示されているのが杉本博司さんの作品をモチーフとしたエルメスのスカーフ、
"カレ(Carré)"。
会場は撮影可能とのことです。

e0246645_14622.jpg
photo:会場風景

真ん中にはクリスタルのオベリスクが立っているのですが、もともとオベリスクは太陽ととても深い関係にあります。
たとえば、出来る影が日時計の役割を果たしていたり、先が四角錐になっていて太陽の光を一身に受ける存在として崇められたり。
エジプトで古くに作られ、オベリスクは太陽神を象徴するもの。
もちろん制作されて時代背景や文化もあってか、本来は殆どが石で作られています。
e0246645_1481470.jpg


それがクリスタルで作られるとどうなるのか。
本来、上部を金属で作って太陽光を集めて反射することで神を象徴するものとされていたものが、クリスタルだと光が通った時に乱反射を起こしてしまうんです。
プリズムってやつです。
ほら。
e0246645_1483337.jpg
e0246645_1485310.jpg

こうやって光の屈折や乱反射が起こります。
光を集め、乱反射させて分散したり錯覚を起こさせたりします。

"この世の何が正しいのか、太陽の光すら乱反射している"

と、美しい見た目とは裏腹に、まるで難問を問いかけているようです。

オベリスクの意味や歴史を、"写真家(光を切り取る作業が作品となる)"が拾い、再構築する。
写真家の作品だからこそ、という面白さがここにあると思います。

とりあえず見るだけでもキレイなものなので、機会があればぜひ見てほしい展覧会の一つ。
しかもエルメスですから、ただファッションとして興味を持つのもいいと思います。
e0246645_1492861.jpg
e0246645_1503028.jpge0246645_1505596.jpg
photo:スカーフとしても飾ってあります。

きれいだー...

この企画のもう一つの見応えは、こうやって最上級のクオリティを追求し信念を持つ人たちが一緒にものを作ることで、また新たなものが生まれるってところ。
売ること、宣伝を目的としたコラボレーションも多々ありますが、これは間違いなくそれとは一線を画したもの。
結局、欲しいな〜(買えないけど)なんて思ってる自分はいるんですが、手に取らずとも見ているだけで美しいって言えるこの作品。
e0246645_150391.jpg

ちなみにですね、ギャラリー小柳さんを始め、アートバーゼル内では各所で杉本さんの作品を目にしました。
この会場に飾られるってことだけで、とても難しく名誉とも言えること。
杉本さんの世界での評価の大きさを物語っています。
e0246645_1512030.jpg
photo:隣の作品はアレクサンダー・カルダー

エルメスとコラボをした作品もありました。
e0246645_1514044.jpg
e0246645_1515972.jpg
e0246645_1522371.jpge0246645_1524824.jpg

この作品は40万ドルで売れたとか!
e0246645_153736.jpg
e0246645_1532786.jpg
photo:ギャラリー小柳@Art Basel

"すごー。"

って、かんじですね。

それにしても、日本文化が受け継いできた美意識を背景に制作する、杉本博司さんのような作家さんが、こうやって世界で評価されていることは、同じ文化を共有する日本人としてはとても嬉しいなーと思います。


と、なんだか日本が恋しくなってきたところで。

日本は台風が東日本を横断中とのこと。
どうぞお気をつけてください。


続く...
[PR]
by idemparis | 2012-06-20 01:59 | 展覧会