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パリのリトグラフ工房IDEM(イデム)。

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JUN INOUE - 私がコレクターになった日 -

JUN INOUE - 私がコレクターになった日 -_e0246645_22155997.jpg
photo:JUN INOUE@YASUHIRO MIHARA 2013S/S, 筆者撮影

私は多摩美術大学卒なんですが、一つ上の学年に井上純くんという先輩がいました。
私のいた科では2、3年生が合同クラスだったので、大学二年生の時に井上純くんとは同じクラスでした。

当時担任だったのはヲノサトルさん。
(ヲノさん、wikiに飛ばしてごめんなさい。)
当時のヲノさんの言葉は今でも私の軸の一つとなっています。

"ものを生み出す時に必要なことはルールを守りつつ、いかにルールから外れたことをやるかだ。
でもそれが出来るのはもっともルールを知っている人間だよ"

そのクラスは映像と音楽とパフォーマンスを総合的に学ぶクラスで、その学年の最終課題がそれらを駆使して作る作品でした。
多くの生徒が映像と音楽とパフォーマンスを組み合わせ、少しでもインパクトのある面白いものを作ろうとする中、井上純くんの作品は異質でした。

真っ暗闇にストロボと声。それだけ。

周りがどれだけの要素を盛り込むかを考える中、彼はあっさりとそれらの殆どを削ぎ落としたんです。
それは10年近く経った今、どの作品よりも強く私の頭に焼き付いています。



と、前置きが長くなってしまいましたが、そんな井上純くんも今はプロのアーティスト。
私は学生の頃から彼の制作に興味があり、帰国のタイミングさえ合えば展覧会に足を運んでいました。

これは今年2月、渋谷のギャラリーCOMMONさんでの展示の様子。
JUN INOUE - 私がコレクターになった日 -_e0246645_23212453.jpg
JUN INOUE - 私がコレクターになった日 -_e0246645_2322219.jpg
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JUN INOUE - 私がコレクターになった日 -_e0246645_23245014.jpg
JUN INOUE - 私がコレクターになった日 -_e0246645_23251874.jpg
photo:彼の描くこのディティールがかなり好き。

ずーっと欲しくてほしくて。
ついに購入。
私のコレクション第一号。
私をコレクターの魅惑の世界へと誘った彼の作品。
これがそのとき購入した3点のうちの一点。

どんー。
JUN INOUE - 私がコレクターになった日 -_e0246645_23493426.jpg
photo:井上純作品、工房にて撮影


作品を買うってなんて嬉しいんだろう。
作家のパワーが込められていて、そのバックにはたくさんのコンセプトや背景があって、展覧会で飾られたり、色んな人が眺めたものが今ここにある。
作家が成長すればするほど、これが今ここにあることが本当に嬉しい。


早くお家に飾りたいです。


そんな大好きな作家、井上純がパリに来ることとなりました!!
冒頭の写真、ミハラヤスヒロさんのファッションショーに出演することに。
それはまた次回。
明日アップ出来れば、と思ってます。



そんな彼の活動はこちらで。

JUN INOUEサイト

制作風景はこちらで。




次に続く...
# by idemparis | 2012-10-07 23:57 | 作家/作品

リンチ展開催の小さな物語、完結。

しばらく間は空いてしまいましたが、この小さな物語も完結。
前回のお話の続きです。

リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_081780.jpg

photo:リンチ展@ヒカリエの様子(photo by Kenji Takahashi)

20年ぶりの再会だったというこのお二人
そう思うと、お二人が持つ空気って似ているような気がしています。

周りが見るその人の価値や地位や役割が変わろうと、たくさんの知識や経験を身につけようと、彼らの持つ好奇心に溢れた透明感のある眼はなんにも変わらないんだろうなと思うんです。
そしてその眼がどんどんと人を魅了し巻き込み、どんどんと自分の味方にしていってしまう。

今回、小山さんとお仕事ができることがとっても嬉しく、私とオーナーで何か出来ないかと考えていました。
"リンチさんのために何か出来たらいいな"と思ったように、"小山さんのために何か出来たらいいな"と思ったのは本当にお二人の共通する魅力に動かされて。

そこで出たのが小山登美夫ギャラリーに、そしてリンチの作品を見にわざわざ足を運んでくれるお客さまに向けてのビデオメッセージという案でした。
多忙なスケジュールの中快諾してくださったリンチさんとTeam Lynch、設営日が一日しかなく大忙しの小山ギャラリーのみなさん、そしてイデム。
時差もあるそれぞれが共通して持てた時間はたった半日。
その中で実現させるため、東京とロサンゼルスとパリが何だか一致団結していました。


そして出来たのがこの動画!!!
(びっくりしてください!)



わわわー。

まるでフィルムのようなメッセージ…。
感動です。
これを見たとき、小躍りしました...。

今回の展覧会開催をとっても喜んでくださったリンチさんの、その気持ちがたくさん籠ったビデオとなりました。
リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_073534.jpg


リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_085785.jpg
photo:入ってすぐ右手の画面(photo by Kenji Takahashi)

こんな感じに会場内外で流して頂いたようです。
あぁ、しーあーわーせー。


そんなお二方の魅力に動かされた私ですが、今回のプロジェクトのもう一人の名脇役であるここのオーナーもそう言う意味ではお二人と同じ空気を持つ人。
知らず知らずに人を魅了し、人が集まってきます。
ここで働いているとその人徳と、人の輪の広さに驚かされるばかり。

そんな好奇心溢れ続ける透明感のある眼を持つ三人が集まったからこそ、こんなに嬉しく暖かく、きっと足を運ばれた方々にも楽しんでもらえただろう展覧会を実現させることができたんだと思います。

こんな若造が大先輩方を評するなとも言われそうですが、これは私の一感想で、この三人が本当に素敵な人たちなんだということを伝えたいと思う気持ちだとすれば、許されるかなぁなんて勝手に思っています。

リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_19104540.jpg
photo:そんな気持ちの私の今の視界...

これでこの小さな小さな物語も完結。


最後に残るは小さな悔しさ。
小山さん、ここのオーナーのフォレスト、リンチさんと誰が欠けても叶わなかったこの機会。
私もこのためにたくさんの仕事をしました。
本当はもっと前から実現したくていろいろ動いていました。
でも全然叶わず。
自分の非力さをただただ痛感した後に叶った展覧会でもあります。

だからこそ、この機会を作ってくださった小山さんに本当に感謝しています。
そんな小山さんも20年前はアシスタントでした。
だから私も今はまだ繋がっていないどこかにあるご縁が、今回のようなご縁に繋がっていくといいなぁと思いながら、マイペースに、そしていつも笑顔で、これからも一歩一歩進んでいければと思います。


この展覧会も大きな前進。
リンチさんに伝えた"今の夢"の一つが叶いました。
そして小山さん、リンチさんはもちろん、今回築けた小山登美夫ギャラリーのみなさんとチーム・リンチのみなさんとの関係も一つの宝物となりました。

そう思うと、あのヒカリエでの展覧会は会期中、私にとっての宝箱だった気がします。

リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_18454677.jpg
photo:宝箱!(photo by Kenji Takahashi)

おまけに、

展示されていた作品たちの制作風景...

リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_18555483.jpg
リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_18572646.jpg
photo:« It was at Night when the Hands Reached Out and Gathered the Clouds from the Eyes and I Saw Myself », 2011製作中
リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_18584184.jpg
リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_18591035.jpg
リンチ展開催の小さな物語、完結。_e0246645_18593264.jpg
photo:« Why Electricity Make Me do Bad Things », 2012製作中


最後は少し長くなりましたが、リンチ展開催の小さな物語、


おわり。
# by idemparis | 2012-08-29 19:15 | 展覧会

日本より戻りました。

フランスは毎年8月、一ヶ月の夏休み。
長かった夏休みも終わり、昨日が初出勤でした。

日本より戻りました。_e0246645_20492242.jpg
このドアをくぐると、変わらない顔が私を迎えてくれました。

オーナーと、同僚と、職人たちと、石版もプレス機も、そして空気もそのまんま。
やっぱり大好きな場所です。

夏休みにかまけて、ブログもほったらかし。
すいません、連絡も滞り、そんなところだけ思いっきりフランス人化しています。
日本では小山さんのギャラリーもお邪魔出来たので、そのことも書きつつ前回のお話を完結させようと思います。

日本より戻りました。_e0246645_20515480.jpg

変わらず並んでお出迎えしてくれる石版たち。

本当に愛おしくてしょうがない存在です。
今日もBGMはプレス機です。
# by idemparis | 2012-08-28 20:53 | idem

コンタクト先

*しばらくこの記事を一番上においています。
毎日ブログを見てくださる方、いつもありがとうございます。

コンタクト先_e0246645_2038328.jpg
初めまして。
リトグラフ工房IDEM、ギャラリーItem Editionsに勤めております大津です。
ここから生まれる私の大好きな作品たちを見てもらえればとても嬉しいです。
下記よりご質問等受け付けています。
いつでもお気軽にご連絡下さい。
akiko.otsu@idemparis.com (日本語可)

リトグラフ工房IDEM(イデム) : http://www.idemparis.com/
ギャラリーItem Editions(イテム) : http://www.itemeditions.com/item.htm/

<リトグラフのご購入>

日本からのご購入も可能です。
コンタクト先_e0246645_20262196.jpg
David Lynch 作品 ※現在渋谷ヒカリエにて展覧会開催中

JR 作品

レイモンド・サヴィニャック 作品

その他作家


<リトグラフ制作>

ここではプロの職人たちがリトグラフ制作をします。
お気軽にご相談下さい。


<ギャラリー、工房の見学>

見学ご希望の方はご相談下さい。
Item Editions
平日8:00 - 19:00, 土日休
IDEM
ご予約の上、応相談。
作家、工房の制作状況によってはお断りする場合もありますのでご了承下さい。
# by idemparis | 2012-07-28 20:05 | コンタクト

リンチ展開催の小さな物語、つづき。

さて、
お話のつづき。

リンチ展開催の小さな物語、つづき。_e0246645_212439.jpg
photo:リンチ展@ヒカリエの様子2 (photo by Kenji Takahashi)

こういう時、ご縁って本当にすごいなぁと思います。

振り返って時は90年代。
東京青山に東高現代美術館というものがありました。
この美術館は、当時高級エステートを提案していた東高不動産が期間限定で設立したもの。

リンチ展開催の小さな物語、つづき。_e0246645_20535371.jpgリンチ展開催の小さな物語、つづき。_e0246645_20541362.jpgphoto:1989年当時の様子(こちらから引用させて頂きました。)

開館は数年と短いものでしたが、その1988年から1991年の間にはフランク・ステラやダニエル・ビュラン、ソル・ルウィットにレンゾ・ピアノの個展など現在の日本で"こんなの見れるのー!"と驚くような企画が次々と開催されていました。
しかも会期が2週間から長いものでも1ヶ月半という...。

現在日本を代表する現代アートギャラリーの一つ、SCAI THE BATHHOUSEの代表、白石正美さんが副館長を務められ、多くの展示を企画されていたというだけでもかなりかなり興味深い...。
1991年8月、「不思議な抽象:現代アメリカの先鋭たち」という展覧会を最後に東高美術館は短い歴史に幕を下ろしましたが、それでも日本の美術史に刻んだ足跡は深く、今だに名前を聞くことも多い美術館です。

その中で1991年1月、たった2週間だけの会期でその"デヴィッド・リンチ展"は開催されました。
リンチ展開催の小さな物語、つづき。_e0246645_2172377.jpg
photo:David Lynch展@東高現代美術館のカタログ(現在絶版ですがamazonで中古購入可)

今回のDavid Lynch展で、それ以来20年ぶりの展覧会と色んなところでうわさになっていたのでご存知の方も多いかもしれませんが、
その時、白石さんのアシスタントをされていたのが小山登美夫さんなんです。
今思うと、展覧会のキュレーターが飯田高誉さん、副館長が白石さん、アシスタントが小山さん...ご、豪華...。

時代は戻って2010年10月。
リトグラフ工房idemにはちょうどリンチさんが制作に来られていました。
同じタイミングでFIAC(パリで一番歴史のあるアートフェアー)に参加されていた小山さん。

"こんな工房があるんです。丁度リンチさんも来られていて。よかったら来られませんか?"

そう聞いてみました。


この半年前、人の紹介で初めてお会いした得体の知れない私の相談を、とっても楽しそうにじっくり聞いてくださった小山さん。
その人としての大きさに魅了され、いつかなにかご縁があれば嬉しいなと思っていました。
そしてその時の感謝もあり、いつか何かしらの恩返しが出来ればと思っていました。

そしてその時と同じように私の工房へのお誘いに、

"ぜひ!"

と快諾してくださり、お忙しい中お時間を作ってきてくださいました。
丁度idemで制作中だったリンチさんにここのオーナー、フォレストが小山さんをご紹介。

"1991年、東京の東高現代美術館での個展の際、Mr.白石のアシスタントをしていたんです。"

と小山さんがリンチさんに伝えると、


"Really? Oh, wonderful!! (本当?すごい!)"


と驚きつつもとっても喜ばれるリンチさん。


これが小山さんとDavid Lynch、20年ぶりの再会でした。



つづく...
# by idemparis | 2012-07-10 02:09 | 展覧会